『METRO PENGUIN EUTOPIA』情報

ゲームを作るときは、次に作るゲームのことを考えるのがいい息抜きになります。ファミレスを作っているときにも本作のことはいろいろ考えていました。現在はシステムを作成中ですが、舞台設定とか大まかなストーリーの流れとかは既になんとなく決まっているので整理するためにもここにすこし書きます。現在は伝えられる情報は少ないのですが、なんとなくイメージを掴んでもらえたらと思います。

舞台設定

かつて、北海道はペンギン彗星が引き起こした万年止まない吹雪によってアネクメーネと化したのですが、唯一、地下に生活空間を移したサポロシティの市民たちだけは北海道に残りました。そうして吹雪による事実上の半鎖国体制を築いた地下都市サポロシティが本作の舞台となります。

他国との関わりをほとんど持てないシティにとって市民たちの食糧を自国で賄うことはとても重要な課題でした。模索の末、シティは食糧ではなく人口のほうを管理する画期的な方法を編み出します。シティは市民の一切の性機能を除去し、クレイシ社が独占する人工受精・子宮技術を用いることで人口の増加を完全に管理できるようになったのです。

ゆえに、結果的にではありますがシティには肉体的な性別・性差がほとんど存在しません。性別という概念自体が希薄です。それを知った他国の人々からは(憧れからなのか揶揄してなのかは人によるでしょうが)シティは『楽園』と呼ばれています。

市民はシティの中でも最も地上に近い1層から3層までの、通称『アッパーレイヤー」で暮らしています。4層以下は『ロウワーレイヤー』として知られる、人口許容量増加政策による大規模な拡張工事で拓かれた空間です。工事はほぼ完成まで進んでいたのですが、アツベツ爆発・落盤事故をきっかけに凍結。現在ロウワーレイヤーは立ち入り禁止になっています。「ロウワーレイヤーでペンギンを見た」なんて言う人がまれにいますが、ロウワーレイヤーに行くような反社会的傾向を持つ人の言うことは信じないほうがいいと思います。

ストーリー

アツベツ遺児であるバームはふとしたきっかけでロウワーレイヤーを訪れ、おそろしい殺人ペンギンたちと戦う、ペンギンを模した被り物を被った戦士と出会います。彼女(市民は無性ですが最近はこちらの三人称が一般的です)こそが市民の安全のために殺人ペンギンと戦い続けるロウワーレイヤーの英雄的人物『ペンギン頭』だったのですが、殺人ペンギンからバームを庇って重傷を負い、ロウワーレイヤーで行方不明になってしまいます。

そしてバームはペンギン頭から託されたペンギンの被り物をもとに彼女の相棒の少女レナーデと出会います。彼女に天賦の暴力への適性を見出されたバームは二代目ペンギン頭として、ペンギンとシティをめぐる暴力の螺旋に巻き込まれていきます。

システム

章ごとに、期日以内にロウワーレイヤーの最下層にある『ペンギンを産む機械』を破壊することを目標に、アッパーレイヤーとロウワーレイヤーを行き来します。システムは別物ですが、ゲームのメインループの感じはペルソナ5とかが近い気がします。アッパーレイヤーでは様々な立場・思想の人物や結社がバームたちの力となるでしょう。ロウワーレイヤーは殺人ペンギンの巣窟となっていて非常に危険ですが、非殺人ペンギン(人を殺さないペンギンのことです)を利用した地形調査(現実で行われているものとは違うものですがバイオロギングと呼びます)が有効な手立てとなります。

戦闘は行動力の限り何度も行動できるターン制です。コマンドは武器とアイテムから選びます。基本プレイヤーが先制を取れる&敵の数と攻撃が熾烈なので、攻撃が最大の防御な感じになります。DOOM(2016)に今すごくハマっているので、積極的なプレイを評価する仕組みにしたいという気持ちがあります。また、戦闘時の判断も重要ですが、計画と準備がそれ以上に重要になってきます。

また、まだはっきりとは決まってないですが、ストーリー分岐をある地点の選択肢とかキャラクターとの好感度で決まるというのではなく、もっとプレイ全体の傾向とかからプレイヤーが気がつかないうちに分岐している感じにできないかな、と思っています。これはまだ思っているだけなのとあまり言わない方がよさそうなのでこのくらいにしておきます。

よくありそうな質問

・難易度について
シビアな舞台設定を反映してそれなりに難しい感じになると思います。難易度がたくさんあるのはあまり好きではない(製作者の想定した難易度で遊びたい)のですが、ストーリー目的の人のための易しめな難易度は実装する予定です。

・ペンギンがかわいそう
かわいそうです。純粋な殺ペン衝動からこのような設定にしているわけではないのは信じてほしいです。ペンギンが好きです。ペンギンの本もたくさん読んでいます。ですが、殺すのはゴブリンでもうさぎでもデーモンでも虫でも魚でもクローンヤクザでもねずみでもなく、ペンギンであるべきだと判断しました。

・ホラー要素はあるか
ないというか、怖がらせることが目的の演出は基本的にしません。あるとしてもファミレスと同程度だと思います

・ゴア要素はあるか
そこまでないですが、必要と判断すればそういう描写もします。Hotline Miami以上のものはないと思います。

・完成はいつ
わからないです。開発の長期化を防ぐためになるべく作業量が少なくなるようにシステムを考えてはいますし、今回はプログラマーもいます。1年が目標ですが……。

・おもしろいか
しっかり考えながら作っているつもりですが、メインループが完成していないので正直まだわからないです。でも作っていてとても楽しいです。好きなものを詰め込んだゲームになりそうなので、好きな人は好きだと思います。

以上です。毎月なにかしらお知らせできたらいいですね。